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Japan Topics ジャパントピックス

Updated: 2021.7.15

「東京芸術祭2021」開催発表(2021年9月1日〜11月30日)、人材育成を担う「東京芸術祭ファーム」も始動

 東京芸術祭2021(主催:東京芸術祭実行委員会)の会期及びプログラムの一部が先行発表された。2021年9月1日から11月30日にかけて、豊島区池袋エリアを中心に「歴史のまばたき」をテーマに開催。発表されたのは、フランスの太陽劇団が20年ぶりに来日して上演する新作『金夢島 L’ÎLE D’OR KANEMU-JIMA』( 仮題 )や、スイスの演出家ミロ・ラウの映像作品などの海外プログラム、青木豪演出による野外劇『ロミオとジュリエット』、ロロ、スズキ拓朗、Baobab、きたまりによる意欲作など。総合ディレクターは引き続き宮城聰が務める。

 また、昨年までAPAF(Asian Performing Arts Farm)として実施されていた同芸術祭の人材育成プログラムは、フェスティバル/トーキョー(F/T)で行われていた研究開発・教育普及プログラムと合わせた「東京芸術祭ファーム」として再始動。多田淳之介がディレクターに就任し、出会いと学びの場「スクール」、現場研修の機会「インターンシップ」、研究開発に挑む「ラボ」の3つのカテゴリーで、公募で選ばれた参加者を中心にプログラムを展開する。 なお、東京芸術祭の全プログラムは8月下旬公開予定。

東京芸術祭
https://tokyo-festival.jp/2021/

第65回岸田國士戯曲賞は受賞作なし

 白水社が主催する第65回岸田國士戯曲賞の選考会が3月12日に行われ、今回は受賞作なしとなった。8作品が最終候補に選ばれていた。第65回となる同賞で受賞作なしとなったのは11回(佳作賞あり含む)で、2007年の第51回以来となる。

最終候補作品
岩崎う大『君とならどんな夕暮れも怖くない』(上演台本)
長田育恵『ゲルニカ』(上演台本)
小田尚稔『罪と愛』(上演台本)
金山寿甲『A-②活動の継続・再開のための公演』(上演台本)
小御門優一郎『それでも笑えれば』(上演台本)
内藤裕子『光射ス森』(上演台本)
根本宗子『もっとも大いなる愛へ』(上演台本)
横山拓也『The last night recipe』(上演台本)

選考委員
岩松了、岡田利規、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、野田秀樹、平田オリザ、矢内原美邦、柳美里

岸田國士戯曲賞
https://www.hakusuisha.co.jp/news/n12020.html

「Japan Digital Theatre Archives(JTDA)」と「戯曲デジタルアーカイブ」がオープン

 文化庁では、新型コロナウィルス感染拡大の影響を大きく受けた文化芸術団体等の収益構造の改善を支援する「文化芸術収益力強化事業」を公募。採択を受けた大型プロジェクトによって整備されたアーカイブやプラットフォームが次々オープンしている。中でも、寺田倉庫株式会社と緊急事態舞台芸術ネットワークが実行委員会を組んで実施した「緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業(EPAD)」では、ポータルサイトで情報やオリジナルコンテンツを発信するとともに、早稲田大学演劇博物館と組んだ舞台公演映像の情報検索サイト「Japan Digital Theatre Archives(JTDA)」と日本劇作家協会と組んだ「戯曲デジタルアーカイブ」などを整備。これまで遅れていた舞台芸術関係のアーカイブ事業がいっきに進展した。

Japan Digital Thatre Archives(JTDA)
今回収集された約1,300本の現代演劇・舞踊・伝統芸能などの舞台公演映像について、興行主体・作家・演出家・出演者・公演日程・会場名などの公演情報と作品概要、舞台写真、フライヤーの画像などを掲載。英語版サイトも開設。権利処理がなされた一部公演については3分間の抜粋映像を視聴することが可能。また、事前予約制で早稲田大学演劇博物館館内で視聴できるものもある。

戯曲デジタルアーカイブ
550本(2021年2月のサイトオープン時点)の戯曲を収録・公開(PDFでダウンロード可能)。個人利用は無料。上演許可を求める場合の条件の概要や連絡方法も明記されており、戯曲が多くの人に末長く楽しまれ、また適切に演劇作品として上演されるためのポータルとなっている。

緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業(EPAD)ポータルサイト
https://syueki5.bunka.go.jp

芸術の動画配信プラットフォーム「THEATRE for ALL」配信開始

 新型コロナウィルス感染拡大の影響により舞台芸術の公演や映画上映の中止や延期、客席数の制限などさまざまな規制が続いている。そうした状況下で多くの人がアクセスできるバリアフリー型の動画配信事業として立ち上げられたのが「THEATRE for ALL」だ。これは文化庁の戦略的芸術文化創造推進事業『文化芸術収益強化事業』として展開されているもので、2月5日から配信が開始された。日本語・英語などの多言語字幕が付いたもの、手話通訳や音声ガイドなどが活用できるものなどさまざまな人が活用できるようアクセシビリティを重視した配信になっている。2月から3月にかけて映像作品約30作品、ラーニングプログラム約30本を配信予定。

 プログラムには、松尾スズキがフランス人作家の絵本を和訳した作品をノゾエ征爾が翻案・演出した『ボクの穴、彼の穴』、チェルフィッチュと美術家・金氏徹平が同じコンセプトに基づいて劇場版と美術館版を発表した『消しゴム山』『消しゴム森』、テレビドキュメンタリー番組のディレクターとしても活躍する映画監督、西原孝至が視覚と聴覚の二重障害を持つ人たちの日常を追ったドキュメンタリー『もうろうをいきる』などが並んでいる。また。鑑賞型の動画のほか、NHK教育番組「ピタゴラスイッチ」などを手がけたメディアクリエイターの佐藤雅彦のオンライン授業など、ラーニング動画も充実している。一部動画・プログラムは有料・要申込。詳細は公式サイトを参照。

THEATRE for ALL
https://theatreforall.net

第20回AAF戯曲賞の大賞は羽鳥ヨダ嘉郎『リンチ(戯曲)』に決定

 AAF戯曲賞は、「戯曲とは何か?」をテーマに公益財団法人愛知県文化振興事業団が2000年に創設。上演を前提に戯曲を公募し、一次審査、二次審査により最終候補5作品を選考し、公開審査で大賞を決定する。緊急事態宣言下での募集となった今年度は117の応募があった。公開審査会は定員を50名に限定して2021年1月10日に開催、愛知県芸術劇場のYouTubeチャンネルでライブ配信も行われた。大賞は羽鳥ヨダ嘉郎『リンチ(戯曲)』、特別賞にはモスクワカヌ『It’s not a bad thing that people around the world fall into a crevasse.』が選ばれた。受賞作および最終候補作品は、愛知県芸術劇場のウェブサイトで公開されている。大賞受賞作は2022年以降、愛知県芸術劇場で戯曲賞受賞記念公演として上演される。

最終候補作品
『It’s not a bad thing that people around the world fall into a crevasse.』 モスクワカヌ
『犀言語』 高谷誉
『丁寧なくらし』 私道かぴ
『山田くんは就活中。』 ダドイダイ
『リンチ(戯曲)』 羽鳥ヨダ嘉郎

審査員
白神ももこ(演出家・振付家・ダンサー・「モモンガ・コンプレックス」主宰)
鳴海康平(演出家・「第七劇場」代表)
羊屋白玉(演出家・劇作家・俳優・「指輪ホテル」芸術監督)
三浦基(演出家・「地点」代表)
やなぎみわ(舞台演出家・美術作家)

第20回AAF戯曲賞
https://www-stage.aac.pref.aichi.jp/event/detail/000467.html

第27回OMS戯曲賞、大賞は山本正典『セミの空の空』に決定

 OMS戯曲賞は、大阪ガスが主催し、関西を中心に活動する劇作家を対象にした戯曲賞。大阪の若者文化の発信拠点として親しまれた扇町ミュージアムスクエア(OMS、現在は閉館)の10周年記念事業として1994年に創設され、今回で27回目を迎える。関西で次代を担う劇作家を発掘するだけでなく、既に評価を得ている劇作家にも活躍の場を与えることを目指して続けられており、関西から全国的にも広く活躍する劇作家を輩出している。今回は54の応募作品から最終選考の結果、山本正典『セミの空の空』が大賞に、ピンク地底人3号『カンザキ』が佳作に選ばれた。コトリ会議で作・演出を手がける山本正典は2018年、2019年と過去2年連続して同戯曲賞の佳作に選ばれており、今回初の大賞受賞となった。

山本正典
1982年生まれ、福井県鯖江市出身。
2004年に京都で小劇場での活動を開始。2007年 コトリ会議を立上げ、劇作を開始。
2018年、第9回せんがわ劇場演劇コンクール劇作家賞を受賞。
2018年「あ、カッコンの竹」で第25回OMS戯曲賞佳作、2019年『しずかミラクル』で第26回OMS戯曲賞佳作を受賞。

選考委員
佐藤信(劇作家)、鈴木裕美(演出家)、佃典彦(劇作家)、土田英生(劇作家)、樋口ミユ(劇作家)

OMS戯曲賞事務局/大阪ガスビジネスクリエイト株式会社
http://www.ogbc.co.jp/oms/

「横浜ダンスコレクション2021」コンペティション受賞振付家決定

 若手振付家の育成とコンテンポラリーダンスの普及を目指す「横浜ダンスコレクション2021」のコンペティション。今回は12の国・地域を拠点に活動する121組のエントリーがあり、映像・書類審査を通過した4カ国22組のファイナリストによる上演審査が2021年2月4日〜7日に行われた。コロナ 禍のため海外のファイナリストは映像での参加となった。

 コンペティション Iでは、ダンスグループ <MWMW(モウィモウィ)>を主宰し、KENTARO!!率いる東京 ELECTROCK STAIRSのメンバーとしても活躍する高橋萌登の『幻モキュメント』が審査員賞と城崎国際アートセンター(KIAC)賞をダブル受賞。日本大学芸術学部卒でダンスカンパニー<茎> に所属する柴田美和が若手振付家のための在日フランス大使館賞、ストリートダンス出身のデュオnousesがアーキタンツ・アーティスト・サポート賞、イスラエルのカンパニー<MARIA KONG>で活躍した井田亜彩実が奨励賞を受賞。キャリアも身体性も多様な現在のコンテンポラリーダンスのプラットフォームになっている同コンペティションの理念を体現するような公演となった。また、コンペティション II(新人振付家部門)の最優秀新人賞は、ファビアン・プリオヴィルや能見健志などの作品に出演している女屋理音の『I’m not a liar.』に決定した。

 受賞者は以下のとおり。詳細は横浜ダンスコレクションのサイトを参照。

◎コンペティション1
[審査員賞、城崎国際アートセンター(KIAC)賞]
 高橋萌登『幻モキュメント』
[若手振付家のための在日フランス大使館賞]
 柴田美和『Oblivion』
[アーキタンツ・アーティスト・サポート賞]
 nouses 『nous』
[奨励賞]
 井田亜彩実『species-種-』

*応募数:12カ国・83組/ファイナリスト4カ国・10組が20分以内の作品を上演
*審査員:岡見さえ(舞踊評論家)、北村明子(振付家、ダンサー、信州大学人文学部准教授)、近藤良平(コンドルズ主宰、振付家、ダンサー)、多田淳之介(演出家、東京デスロック主宰)、浜野文雄(新書館「ダンスマガジン」編集委員)、サンソン・シルヴァン (在日フランス大使館文化担当官)、グザヴィエ・ぺルソン(アンスティチュ・フランセ横浜 館長)、エマール・クロニエ(スタジオ・オリヴィエ・サイヤール ディレクター、アートアドバイザー)

◎コンペティション2(新人振付家部門)
[最優秀新人賞]
 女屋理音『I’m not a liar.』
[アーキタンツ・アーティスト・サポート賞]
 小林 萌『ON AIR』
[奨励賞]
 竹内春香『AM0:01』、島田幹大『tangle』
[ベストダンサー賞]
 村上生馬『胎内回帰』

*応募数:38組/ファイナリスト12組が10分以内の作品を上演
*審査員:伊藤千枝子 (振付家・演出家・ダンサー)、加藤弓奈(急な坂スタジオ ディレクター)、ヴィヴィアン佐藤(美術家)、浜野文雄(新書館「ダンスマガジン」編集委員)

横浜ダンスコレクション
http://yokohama-dance-collection.jp/